こんにちは、たるみです
アクセスありがとうございます!
絵本の読み聞かせを行なっているご家庭は多いと思いますが、読み聞かせの目的は以下の5つのどれかに該当することが多いようです
本記事では、読み聞かせの目的の一つである「言語教育」という観点で、言語能力や語彙を伸ばすための読み聞かせテクニック「PEER」について紹介します。
子どもの言語教育のためには、読み聞かせの量も大切ですが、「どのように読み聞かせるか」という読み聞かせの質がとても重要です。
普段の読み聞かせにすぐ使える「PEER」法について学んで、読み聞かせの質を向上させましょう!
対象年齢は、発語ができる頃(1歳半〜)を想定しています!
言語力を伸ばす「PEER」法とは?ダイアロジックリーディングの手法!
PEERとは、対話型の読み聞かせ(ダイアロジックリーディング)を行うための手法です
対話型の読み聞かせというのは、親が読んで子どもが黙って聞くというスタイルではなく、親と子どもが本について対話をしながら読むスタイルを言います
PEERは、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校のグローバー・ホワイトハースト博士が中心となったプロジェクトで開発された手法で、以下の頭文字をとっています
うながす→評価する→ふくらませる→繰り返すのサイクルを回すことで、子どもとの対話を行いながら言語能力の向上を図ります
それでは、簡単な例を交えながら「PEER」をみていきましょう
Prompt(うながす)
読み聞かせをしている本について、子どもに発言を促します
例えば「太陽」を指さして、「これは何かな?」と聞いてみます
子どもの発言を促すコツは「CROWD」です!
後ほど紹介します!
Evaluate(評価する)
子どもの発言を評価します
子どもが「たいよう」と正しく答えたら、「正解!太陽だね!」と認識が正しいことを教えてあげます
子どもが「アンパンマン!」と誤った認識をしていたら、「そうだね。アンパンマンみたいに丸いね。丸いけど、これは太陽だね!」と相槌を打ちつつ、正しい答えをさりげなく教えましょう
「評価」としていますが、子供が発言しやすくすることが大切です!
発言を否定しないように注意しよう!
Expand(ふくらませる)
言い換えや情報の追加によって、子どもの答えをふくらませます
- 「太陽」は「お日様」とも言うね
- 「太陽」は「明るい」ね
プラスアルファの情報をさりげなく追加すれば、子どもの語彙力も高まります
Repeat(くり返す)
ふくらませた情報を繰り返させます。
- 「お日様」って言ってみて
- 「太陽は明るい」って言ってみて
子どもに発言させることで、正しい情報やプラスアルファの情報を主体的に学ぶことができます
Prompt(うながし)のコツ!キーワードは「CROWD」
Prompt(うながし)は子どもの発言をうながすことが目的ですが、実際どうやって促すと良いのでしょうか?
促し方のコツとして「CROWD」というキーワードがあります!
それぞれ見ていきましょう!
Completion (フレーズを完了させる)
フレーズの最初を親が言って、後続のフレーズを子供に言わせる方法です
韻を踏んでいたり、繰り返しがある本で使用されることが多いです
例えば、絵本「くだもの」では、「果物の絵」+「さぁ、お食べ」という繰り返しの構成となっています。
その場合は、以下のように発言を促すことが考えられます
親:さぁ、〇〇〇
子: お食べ!
子どもが発言しやすいように、最初のフレーズを少し親が読んであげる。
それぐらいの意識で使うのが良さそうですね!
Recall(内容を思い出す)
本を読んだ後や、一度読んだことがある本を読み始める前に、本の内容について質問します
親:この本にでてくる果物は何かな?
子:リンゴ!
本の内容を思い出す質問によって、ストーリーを理解して一連の内容を説明する能力が身に付きます
Open Ended(絵に着目する)
絵本のページを見ながら、絵について自由に回答できる質問を投げかけます
親:この絵のどこが好き?
子:リンゴが美味しそう!
この後の会話として、プラスアルファ情報(赤い、甘い、ツヤツヤetc)をさりげなく加えて、ふくらます→くり返す(Expand & Repeat)するのも良いですね!
子どもの表現力を高め、細かいところに注目するようになります
Wh- prompts(何質問。いわゆる5W1H)
定番でありながら、とても大事な5W1Hの質問です
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(だれが)
- What(なにを)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
最初のPrompt(うながし)の質問として、とても使いやすいです。5W1Hをベースに子どもの発言を促してあげましょう
Distancing(現実世界との関連)
本の中の絵や言葉を、本の外の世界(=現実世界)の経験と結び付けるように質問します
親:昨日一緒にリンゴ食べたね。どんな味だった?
子:甘くて美味しかった!
絵本以外の体験と結びつけて自由に発言させることで、表現力が高まり、細かいところに注意がいくようになります
発語が始まったら積極的にPEERを活用してアウトプットさせよう!
子どもの発語が始まったら(1歳半頃〜)、PEERを活用して、読み聞かせを参加型スタイルに変えていきましょう!
本に出てくるモノの名前を教えて喋らせたり、質問に答えさせるといった参加型スタイルの読み聞かせを継続すると、子どもの口語能力が向上します
子どもにも参加させるスタイルの読み聞かせを15週間続けると、子どもの口語能力がアップしたというデータがあります。
「最高の子育てベスト55(著者:トレーシー・カチロー)」P62
読み聞かせによる情報のインプットも大切ですが、参加型スタイルにすると子ども自身に情報をアウトプットさせることができます!
物事を覚えるために最も効率の良いインプットとアウトプットの比率は3:7!
アウトプット比率が向上するから、子どもの言語教育に役立ちます!
親が読む部分を徐々に減らして子どもに読ませたり、一緒に音読したり、子ども自身が能動的に本に関われるようになるように、読み聞かせをすると良いですね!
まとめ
本記事では、読み聞かせを「言語教育」という観点で捉えた時に、言語能力や語彙を伸ばすための読み聞かせテクニック「PEER」について具体例を交えながら紹介しました。
また、子どもの発言をうながす(Prompt)のキーワードとして、「CROWD」の視点があることを紹介しました
読み聞かせには色々な目的がありますが、言語教育を高めたいと考えた時には、対話型の読み聞かせの手法を参考にしてみて如何でしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございます!
読み聞かせノウハウが子どもの成長に役立つことを願っています!
コメント